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6/23/2012

『ノー・モア・フクシマ』ポスター展。

どうも、近藤です。
美術館のひんやりした空気が好きです。

先日、実家にいたときに訪れた、
グラフィックデザイナー秋山孝さん(長岡出身)の『秋山孝ポスター美術館 長岡』。

開催中の展覧会、『ノー・モア・フクシマ』を観てきた。
この展覧会は、東日本大震災での福島の原発事故を受け、
原発について考える機会にしようと全国を巡っているもの。
全国・そして世界の著名デザイナーらが描いた数多くのポスターの中から、
秋山さんが厳選した63点が展示されている。
長岡市のとなり町には、東京電力柏崎刈羽原子力発電所があり、
1号機から7号機までの大規模な原子炉がある。
社会に提示された原発問題を、我が身のこととして考え始めた方も多いと思う。
今こそ、未来のために実現できることがあるのではないか・・・
様々なメッセージを投げかける空間であった。

秋山さんは、2004年の中越地震に心を痛め、
地震の記憶を風化させないことが重要であると考えて、
「地震ポスター支援プロジェクト」も立ち上げていらっしゃる。
こちらは、今回の企画展の為に作られた、秋山さんのポスター。
立ち上る巨大な何か。真っ赤な世界。
現実に起こったことである。今なお続いている。胸に刺さる。

印象的だったのは、和田誠さんの作品。
放射線から守ろうと、我が子を抱きかかえる母の姿。
この母は、私であり、社会であると思う。
他の誰でもない。子供たちの未来を守る存在なのだ。
今回は、先日のイベントで秋山さんとご一緒させて頂いた翌日、
東京に帰る直前に訪問したのだった。
ついついお話に引き込まれて、気づけば長居してしまった。感謝。。
秋山さんと会話していると、
まるで、目の前で花火が上がっているような心持ちになる。
世界を飛び回る秋山さんの世界観は、広々として濃密で、
話題がどう転ぶかわからない少々のスリルと、スパークの連続。
ドキドキしたり、じーんとしたり、がーんとしたり。
ドラマティックで、感動的で、ものすごく勉強になる。

ちなみに、この美術館は、
大正14年に建設された、旧北越銀行宮内支店を修復したもの。
当時、実際に使われていたという、渋くてレトロな金庫扉!
深緑色の重厚な扉をくぐると、
秋山さんの著書やオリジナルグッズが並ぶ、ミュージアムショップになっている。

歴史ある醸造の町に、3年前に誕生した、モダンなポスター美術館。
入館無料で楽しめる。
全国各地から訪れる方はもちろん、
この日は、ふらりと立ち寄った地元の方の姿もあった。
私がお邪魔させて頂いたのは2回目だったが、
わがまちに、こんなに素敵な空間ができたこと、改めて嬉しく思った。

『ノー・モア・フクシマ』展は、あす、6月24日(日)までの開催。
7月7日からは、次の展覧会『越後百景十選』がスタート。
年に数回、展覧会を開催しているので、
わたしもまたいつか、地元を散歩がてら訪れたい。
皆さんも、なじらて?(いかがですか?)